LINE(ライン)は、日本国内で圧倒的な利用者数を誇るメッセージアプリであり、日常会話の中で「スタンプ」を使う文化がすっかり定着しています。
このスタンプ、実は誰でも自分で作って販売できることをご存じでしょうか?
かつては一部のプロイラストレーターやデザイナーだけの世界だった「スタンプ制作」も、今ではスマホ1台で気軽に始められるようになっています。
絵が得意でなくても、アイデアやキャラ設定次第で大人気スタンプを生み出すことも夢ではありません。
この記事では、「LINEスタンプを作ってみたいけど、何から始めればいいかわからない」という方に向けて、以下のことを丁寧に解説していきます。
- スタンプの種類や仕様
- 必要な道具やアプリ
- 実際の作り方(画像付き)
- 登録から販売までの流れ
- 収益化のポイント
また、実際の制作工程をステップごとに紹介しますので、視覚的にもわかりやすい内容になっています。
LINEスタンプ作成の基本知識

LINEスタンプを作る前に、まずは基本的な仕様やルールを知っておくことが大切です。この章では、スタンプの種類やサイズ、必要枚数、そしておすすめの制作ツールについて解説します。
スタンプの種類
LINEスタンプには主に以下の2種類があります。
● 静止画スタンプ
最も一般的なスタンプ。動かないイラストで構成されます。イラストが得意でなくても、可愛い・ユニークなアイデアがあれば人気スタンプになることも。
● アニメーションスタンプ
動くスタンプで、GIF形式などを使って数秒の動きを表現できます。やや制作の手間はかかりますが、動きによって印象的なスタンプが作れます。
※この記事では初心者向けに、まずは「静止画スタンプ」の作り方をメインに紹介します。
スタンプに必要な枚数と仕様
LINEスタンプの基本セットは以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
スタンプ枚数 | 8枚、16枚、24枚、32枚、40枚から選択可能 |
必須画像 | メイン画像1枚、トークルームタブ画像1枚 |
画像サイズ | スタンプ画像:370×320px(最大) |
メイン画像 | 240×240px |
タブ画像 | 96×74px |
ファイル形式 | PNG |
カラーモード | RGB |
背景 | 透明推奨(透過PNG) |
出典:LINE Creators Market公式ガイドライン
作成に使えるおすすめツール
以下は初心者でも扱いやすい人気のスタンプ制作ツールです。
ツール名 | 特徴 |
---|---|
MediBang Paint | 無料、PC・スマホ対応、レイヤー機能も充実 |
ibisPaint | スマホ向け、ペン種類が豊富で操作も簡単 |
Procreate(iPad) | 有料、高性能でプロも使用 |
Photoshop(PC) | 有料、画像編集や仕上げに最適 |
スマホやタブレットでも十分にスタンプ制作が可能です。特に「ibisPaint」は無料で使いやすく、多くの初心者に支持されています。
実際にスタンプを作ってみよう

ここからは、手描きラフからデジタル化、着色までの具体的なステップを、画像とともにわかりやすく解説します。初心者でも安心して進められる内容です!
ステップ1:テーマ・キャラクター設定
- あなただけのキャラクターを考えよう
– 自分が日常的に使いたいスタンプは?と言葉や感情。
– 「おはよう」「了解」「ありがとう」「ごめんね」など、使う場面を想定して設定。 - ラフスケッチしてみる
– 紙にざっくり描くだけOK!イメージを複数パターン描いてみると良いです。
ステップ2:スキャン or 撮影してデジタル取り込み✨
- ラフをスマホカメラで撮影するか、スキャナーで取り込んでください。
- 糸くず除去などはせず、線が太めの状態でOKです。
- 画像取り込み後は、トリミングしてキャンバスにぴったり収めましょう!
ステップ3:線画を抽出(例:ibisPaint X使用)
- アプリで新規キャンバスを設定
– サイズは370×320px以内が目安。RGB+72dpi推奨。 - 取り込んだ画像を 線画抽出 機能で処理し、不要な背景を削除。
- 消しゴムツールで線画をキレイに整えていきます(はみ出し修正など)。
– iPad + Clip Studio PaintやPCでの作業でも同様の流れになります。
ステップ4:着色とレイヤー活用
- 線画レイヤーを残して、その下に着色用レイヤーを追加。
- スポイトツールで色を取りながら、自然な配色で色分け。
- 塗りはみ出し防止のため、塗りつぶしツールを活用&閉じた線で処理。
- 完成したら、レイヤーを統合せずにデータを保持してください。
ステップ5:透明背景&PNGで書き出し
- 背景レイヤーを非表示にして、透過PNGとして書き出し。
- サイズは規定(最大370×320px)に収め、余白は10px前後あると見た目OK。
- 書き出した画像は1MB以下と、LINEの仕様に準拠してくださいね。
ステップ6:メイン画像・タブ画像も作る
- メイン画像(240×240px)
– タイトルの顔写真のようなアイコンです。余白10px程度が見栄え良いです。 - タブ画像(96×74px)
– スタンプ選択画面に表示される小さいロゴ画像。顔だけ大きく入れましょう。
チェックリスト ✅
- スタンプ枚数決定(8~40枚)
- 各PNGが透過&1枚ずつ書き出し済
- メイン・タブ画像作成済
- ファイル名は「stamp01.png」のように整理
LINE Creators Marketでの登録&申請方法 📤

初心者でも迷わないよう、LINE公式の手順と注意点を解説します。
クリエイター登録(アカウント開設)
- 公式サイトにLINEアカウントでログイン。
- 二段階認証で本人確認。スマホのLINEアプリに届く認証番号を入力します 。
- 利用規約・プライバシーポリシーに同意。
- 居住国・屋号(名前)・メールなど必要情報を入力して確認→登録完了。費用は一切かかりません。
- メールが届くので、本文のURLをタップして本登録完了。
振込口座や販売設定の登録
- 登録完了後、マイページで振込先(銀行口座)を設定。
- 必要であれば住所・電話番号等の追加登録も行いましょう
スタンプの申請準備
- マイページの「新規登録」→「スタンプ」を選択
- 必要書類:
- テキスト情報(タイトル・説明文、英語含む)
- スタンプ画像一式(規定サイズのPNGファイル)
- メイン画像/タブ画像を準備。
- 言語は日本語必須、英語は必須推奨。その他の言語も追加可能
ZIPで素材をアップロード → 審査リクエスト
- すべての画像と情報を入力したら、ZIP形式でまとめてアップロード。
- 「審査リクエストボタン」を押して申請完了です 。
審査の流れと合格のコツ
- 審査期間:通常1〜2週間、早ければ数日以内
- 通過タイミング:通知は朝9時、午後3時、夜9時ごろが多いという声も
- 申請のコツ:
- 日本限定販売にすると審査がスムーズになる場合あり 。
- シンプルで文字主体、視認性の高いデザインが審査通過しやすい 。
- 暴力・差別・政治・宗教の偏った表現はNG
通過後のリリース
- 審査通過後、マイページに「リリース」ボタンが表示されるので押せば販売スタートします。
- 選択した販売エリア(日本のみ or 全世界)に合わせて表示されます。
特記事項:リジェクト(審査落ち)があった場合
- メールや「メッセージセンター」でリジェクト理由の連絡があります。
- 不具合や表現の修正を行い、該当スタンプ画面から「再審査リクエスト」を押して再申請可
販売開始後の運用と収益化 💰

スタンプが無事にリリースされた後は、「いかに多くの人に使ってもらい、収益化していくか」が次のステップです。
基本的な振込仕組みから、プロモーション戦略、人気を拡げるコツまで詳しく解説します。
収益モデルと振込仕組み
- 販売価格:LINEスタンプは購入者がセット単位で購入する仕組みで、価格は120円〜250円程度(地域によって異なる)。
- クリエイター取り分:販売価格の50%がクリエイター報酬に。残りはLINE手数料や税金を含む。
- 売上振込:
- 月に1回(毎月26日締め・翌々月10日払)で銀行口座へ自動振込。
- 報酬額が1,000円未満の場合は翌月以降に繰り越しになります。
宣伝・マーケティング戦略
せっかく作ったスタンプを多くの人に見つけてもらうには、戦略的なプロモーションが鍵です。
- SNS活用
- Twitter・Instagramで制作過程のイラストや裏話を投稿し、フォロワーとコミュニケーション。
- リリース日時に合わせて告知し、購入を促しましょう。
- LINE公式アカウントとの連携
- 自分専用のLINEアカウントやオープンチャットを作って、登録者に先行リリース情報を配信。
- スタンプ使用例を投稿して具体的に魅力を伝えると効果的です。
- 友だちや知人への口コミ依頼
- LINEグループやチャットで「使ってね!」と気軽にお願い。
- 実際に使ってもらうと、スタンプ画面のレビューが増えて目立ちやすくなります。
- 無料お試し版を配布(友だち限定)
- 非公式のやり方ですが、リリース直後に無料配布することで初速をつけられます。
人気スタンプにするための工夫
多くのクリエイターが目指す“バズるスタンプ”になるためのヒントをご紹介します。
- 利用シーンを意識したフレーズ
「了解」「ありがとう」「おつかれさま」など、会話頻度が高い言葉で幅広い人が使いやすいもの。 - 表情のバリエーション
喜怒哀楽の4感情を中心に、使いやすさ重視でデザイン。キャラの個性が光ると愛着が湧きます。 - 季節やイベント対応スタンプも◎
ハロウィン、クリスマス、バレンタインなど、季節用スタンプは一時的に注目が集まりやすいです。 - トレンドや流行語に乗る
SNSやニュースで話題の言葉をさりげなく取り入れると「今使いたい」状況にマッチします。 - リリース頻度
1回リリースするよりも、定期的に新作を出すほうが、ブランド化しやすくファンがつきやすいです。
売上分析と改善サイクル
クリエイター管理画面で、以下のデータが確認できます。
- 購入数・売上ランキング
- 日別・国別の売れ行き傾向
- 審査・リジェクト率
これらのデータをもとに改善点を考えましょう。以下は改善のヒント例です。
- 売行きが伸びている日・国を参考にプロモーション対象を絞る
- 審査で何故落ちたかフィードバックをしっかり読み、再申請の際に反映する
- **売れたセットとの共通点(テーマ・フレーズ)**を自分の次回作にも活かす
クリエイター同士の交流で学ぶ
- LINE Creators Community(FacebookグループやTwitterタグ)
他のクリエイターと情報交換できる場が多数存在。 - オンライン勉強会・ウェビナー参加
LINE社公式やクリエイター仲間主催のセミナーに参加して最新情報をゲット。 - コラボ企画
他のクリエイターと共同でスタンプを制作して相互に宣伝しあう方法も効果的です。
まとめと次のステップ

以上で、LINEスタンプ制作から販売・運用までの全体像を解説してきました。
最後にこの記事のまとめと、次に進むためのアクションプランを見ておきましょう。
記事の総まとめ
ここまで、LINEスタンプの制作から販売・運用までの流れを段階ごとに解説してきました。あらためて、重要なポイントをおさらいしましょう。
ステップ | 内容の要点 |
---|---|
第1章 | スタンプは誰でも作れる時代。基本的な考え方と魅力を紹介。 |
第2章 | スタンプの種類・必要枚数・画像仕様など、基礎情報を習得。 |
第3章 | 企画からデザイン、着色・書き出しまでを画像付きで解説。 |
第4章 | LINE Creators Marketへの登録・申請方法を詳しく解説。 |
第5章 | 販売後の運用、収益化、プロモーションのコツを紹介。 |
まずは「1セット完成」を目指そう
たとえ絵が得意でなくても、「日常で使いたい!」と思える言葉や表情を盛り込めば、多くの人に喜ばれるスタンプが作れます。最初の一歩として、以下のようなテーマで試してみるとスムーズです。
- 家族向けスタンプ(お母さん用、祖父母用など)
- 仕事用スタンプ(敬語・ビジネス表現中心)
- 友人向けスタンプ(カジュアルな言い回し)
- 推しキャラ風オリジナルデザイン
継続していくコツと楽しみ方
LINEスタンプは、一度作って終わりではなく、継続的に更新・追加していくことでファンや収益が増えていきます。次のようなマインドを持つと、楽しみながら続けやすくなります。
- 「失敗してもいいから出してみよう」
- 「1作目は学び、2作目から本番」
- 「作ることそのものを楽しもう」
よくある質問とその答え
Q. 絵が苦手ですが、作ってもいいですか?
→ はい、大丈夫です。文字スタンプやシンプルな表情でも十分使われます。
Q. 無料で作れますか?
→ 制作アプリや登録費用は基本無料です。iPadなどの端末があればより快適。
Q. 収益は本当に得られますか?
→ はい。月に数百円〜数万円の収益を得ている人が多くいます。努力と工夫次第です。
ちなみにですが、私は2か月で500円ほど収益化できています。
さぁ、あなたもスタンプクリエイターの一歩を!
LINEスタンプは、創作がそのまま「誰かの会話に入っていく」素敵な体験です。世界中のLINEユーザーに、自分のアイデアやユーモアを届けられるチャンスです。
まずは手を動かし、小さな1セットから始めてみましょう。あなたの作品が、誰かの「毎日使うお気に入り」になる日が、きっと来ます!